「飛龍、天に在り。大人を見るに利(よろ)し」(乾為天卦・九五爻辞)        

                    乾為天

一番めでたい「乾為天」(けんいてん)

 易経には64の卦がありますが、この中で一番めでたい卦といえば「乾為天」でしょう。
第1回目で、易は陽(━)と陰()の6つの組み合わせで成り立っていること、そしてその一つひとつを爻(こう)と呼ぶとお話しました。

 今回は、その爻それぞれに意味があることをお話しします。冒頭に挙げた形(象)を見てください。6つの爻がすべて陽(━)で成り立っています。これを乾為天といいます。易占いでは、爻から占いの意味を探ることがありますが、今回の乾為天は、この爻が大変大きな意味をもっている点で興味深い卦です。

 乾は健(すこやか)でもあり、明るい陽の性質をもっています。乾為天の卦全体を説明することば(卦辞)には、「元(おお)いに亨(とお)る。貞(ただ)しきに利(よろ)し」とあります。これは、「望みはおおいに通る。正しい態度を持続するとよろしい」という意味です。卦辞は占いの内容を表現しているもので、中国古代の周王朝を開いた文王(ぶんおう)という実在の人物の言葉です。

 「元亨利貞」(げんこうりてい)は、国語辞典にも出ている言葉ですから、ご存知の方も多いでしょう。物事の循環を説く言葉です。もしご存知なければ、一度辞典を調べてみてください。

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