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【産経抄】韓国ともいつか仲良くなれるのではとつい夢を見たくなるが… 2月24日 [■産経抄]

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【産経抄】韓国ともいつか仲良くなれるのではとつい夢を見たくなるが… 2月24日

 昨今の国際情勢をかんがみれば、さもありなん。「米国の最大の敵対国」を聞いた米ギャラップ社の今月の世論調査で、米国民の51%が北朝鮮と答え、トップだったという。2位がロシア(19%)、3位が中国(11%)というのも、米国の立場を考えればまずは順当だろう。

 ▼一方、お隣の韓国はどうか。韓国は平昌五輪閉会式に合わせ、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の側近で、かつて対韓テロを主導したとされる金英哲(ヨンチョル)氏を団長とする高官代表団を受け入れる見通しだ。韓国自身や米国の独自制裁の対象者であるにもかかわらず、である。米国も不快感を示している。

 ▼かと思うと韓国の鄭鉉栢(チョン・ヒョンベク)女性家族相は22日、ジュネーブの国連欧州本部で、慰安婦問題への関心を喚起するため、仮称「慰安婦研究所」の新設を明言した。さらに、日韓合意で使用は不適切だと認めた「性奴隷」との表現も使った。

 ▼日米韓の連携が何より大切な時に、平気でそれを壊すようなまねをして悪びれない。「韓国は歴史的に自己中心的な国」(外務省幹部)というより、国際関係や他国の国民感情が全く理解できない子供のような国なのだろう。

 ▼文在寅(ムン・ジェイン)大統領が秘書室長として仕えた盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は、ラムズフェルド米国防長官(当時)との初会談で、「仮想敵国は日本だ」と言い放ち米側をあきれさせた。盧氏は平成18年7月、海上保安庁巡視船の撃沈も辞さない「危害射撃」を許可したこともある。

 ▼平昌五輪における日韓両選手の温かな交流をみると、韓国ともいつか仲良くなれるのではとつい夢を見たくなるが、そうはいくまい韓国が初代の李承晩(イ・スンマン)大統領以来続く反日教育をやめ、対日観を改めない限り、真の友好が根付くとは思えない

 


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陰陽道の「方違」に通ずる羽生「復活の舞」 2月18日 [■産経抄]

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【産経抄】陰陽道の「方違」に通ずる羽生「復活の舞」 2月18日

フィギュアスケート男子フリーの演技を終え、氷に手をつく羽生結弦=17日、韓国・江陵(共同)

 

 陰陽道に「方違(かたたがえ)」という習わしがある。目的地が禁忌の方角にあるとき、別の場所で1泊し、向かう先を「吉」の方角に変える。迂遠(うえん)な手順を昔の人はいとわなかった。回り道も人生-という根気強さは、日本人に培われた気質であり美質である。

 ▼「絶対王者」と呼ばれ続けたその人は「たくさんの方々に支えられ、育てていただいた」と感慨深げに語った。右足首のケガという、方違にも似た曲折の末に到達した目的地である。圧勝よりも劇的な金メダルは、天の配剤であろう。平昌五輪の銀盤に神様はいた。

 ▼フィギュアスケート男子の五輪連覇は66年ぶりという。羽生結弦選手(23)である。練習中に転倒し、右足首を痛めたのは3カ月前だった。ぶっつけ本番の氷上で見せたのは、表現者としての繊細さであり競技者としての芯の強さである。退路を断っての演技だった。

 ▼高く跳んだ後の着氷に、テレビ桟敷で力んだ人は多いだろう。演技を終え、両手で右足首をいたわる羽生選手の姿があった。「右足ががんばってくれた。感謝の気持ち」と。宇野昌磨選手(20)は冒頭のジャンプで転倒し立て直しての銀だった。こちらも立派である。

 ▼羽生選手がフリーの演技で舞った曲『SEIMEI』は、映画『陰陽師』の楽曲から7曲を選んで編集し、自らつけた題という。平安期の陰陽師、安倍晴明に想を得たことは言うまでもないが、銀盤に刻まれた羽生選手の「生命」をその目に焼き付けた人もいよう。

 ▼美酒だけを味わって生きられる人が、幸せとはかぎらない辛酸が、華奢(きゃしゃ)な若者を苦み走ったいい男に変えることもある。思えば美酒も辛酸も、汗と同じ成分なのではないか。勝者の目に光ったものも同じである。美しいものを、見せてもらった。

 


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それは多くの特別なことの始まりになる。ピンチはチャンスという。 [■産経抄]

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【産経抄】2月17日

 「拉致問題を解決し、横田めぐみさんをはじめ、全ての拉致被害者を返してもらいたい」。安倍晋三首相は9日、韓国・平昌で北朝鮮の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長に迫った。これに金氏が何と答えたかは、政府は「今後の交渉もあるから」(高官)として一切明かしていない

 ▼16日に発売された小泉純一郎元首相の初の回想録『決断のとき』を、早速手に取った。「この本を書いている最中にも、(日本政府は)被害者が戻れるための努力は水面下で一生懸命やっていると思います」。小泉氏が記す通りだと信じたい。

 ▼北朝鮮をめぐる状況は、平成14年の小泉氏の初訪朝時と似通う部分がある。回想録は、当時をこう振り返っている。「アメリカがアフガニスタンで対テロ戦争を仕掛けた頃でもありました。北朝鮮はブッシュ大統領に『悪の枢軸』と名指しされたことに危機感を強めていた」。

 ▼トランプ米大統領は昨年4月、アサド政権軍の支配下にあるシリアの空軍基地に対して突然、巡航ミサイルによる攻撃を行った。そして北朝鮮をテロ支援国家に指定し、徹底的に金融や経済面で締め上げている。北は今、16年前と同様に苦境に陥っている。

 ▼安倍首相は14日には、トランプ氏と1時間16分にわたり電話で会談し、北朝鮮に最大限の圧力をかけ続けていく方針で一致した。追い詰められた北が、拉致・核・ミサイルの各問題で政策を転換し、対話を求めてくるよう歩調を合わせている。

 ▼トランプ氏は昨年11月の日米共同記者会見で、北朝鮮が被害者を返した場合について、こんなメッセージを発している。「それは多くの特別なことの始まりになる」。ピンチはチャンスという。北の危機を、うまく被害者帰国につなげてほしい。


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残念ながら教育にはノーベル賞がない 2月16日 [■産経抄]

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【産経抄】残念ながら教育にはノーベル賞がない 2月16日

 世界で初めて車を発明したのは、紀元前3500年ごろにメソポタミア地方に住んでいたシュメール人だという。ヨーロッパでは、馬車が自動車や鉄道以前の代表的な乗り物だった。

 ▼ではなぜ日本には、明治時代に外国から持ち込まれるまで馬車が存在しなかったのか板倉聖宣(きよのぶ)さんの『日本史再発見』は、見事に謎を解き明かしていた。文部科学省が公表した高校学習指導要領改定案の内容を見て、かつて目からたくさんの鱗(うろこ)が落ちたこの本を思い出した。

 ▼改定案の目玉は、18世紀以降の世界と日本の歴史を総合的に学ぶ「歴史総合」である。課題を見つけて、データや資料に基づいて解決する。授業を成功させるには、科学史が専門の板倉さんの手法が欠かせないからだ。

 ▼教育研究者としては、「仮説実験授業」の提唱者として知られる。物理や化学の現象について、生徒が結果を予想し、実験で確かめる。「もっとも大切なのは、科学への好奇心を育てること」。これが持論だった。

 ▼ご本人こそ、好奇心のかたまりだった。イラク戦争に際して、江戸時代のアイヌ民族と和人の歴史をわかりやすく紹介する本を書いた。子供たちに民族問題を考えてほしい、との願いからだ。最近高値が話題になっている、白菜のルーツを探った著作もある。

 ▼小紙は5年前、若い世代の「理科離れ」をテーマに座談会を企画したことがある。ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英さんとともに参加をお願いしたのが、板倉さんだった。「研究でノーベル賞を取ったら尊敬されるが、残念ながら教育にはノーベル賞がない」。板倉さんの発言に、益川さんは苦笑するしかなかった。87歳で亡くなった板倉さんは、今回の改定案をどのように評価するだろう。


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「異説に耳をふさぐな」西部さんの教え 2月13日 [■産経抄]

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【産経抄】「異説に耳をふさぐな」西部さんの教え 2月13日

 東日本大震災による東京電力福島第1原発事故から、約1年後のことだ。国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)の委員長が、事故に伴う健康被害は今後も考えにくい、と発言した。ロイター通信が伝えたものの、日本ではほとんど報道されなかった。

 ▼大切な情報が、「日本人のオツム」を通り過ぎていくのは、当時のメディアが放射能への恐怖に凝り固まっていたからだ。そう指摘したのは、先月「自裁死」した評論家の西部邁さんである。毎日新聞に寄せた論考で、「異説に耳をふさぐな」と警鐘を鳴らしていた。

 ▼同じような風潮は今も続いているようだ。昨年9月に日本学術会議から出た「子どもの放射線被ばくの影響と今後の課題」は、福島第1原発事故による胎児への影響を否定していた。東洋大学教授の坂村健さんが正論欄で紹介するまで、まったく知らなかった。坂村さんによると、愚直にデータを積み重ねた結果、「科学的には決着がついたと認識されている」とまで踏み込んでいる。

 ▼1キロ当たり、飲料水10ベクレル、一般食品100ベクレル。福島第1原発事故後に国が設けた、放射性セシウムの基準値である。米国ではすべての食品で1200ベクレルである。昨日の小紙の報道によると、国の放射線審議会は、この基準について議論する方針を固めた。ただし、基準の見直しが前提ではないという。

 ▼欧米に比べて厳しすぎる基準は、科学的根拠に基づいて見直すべきだ。以前からこんな意見が専門家から出ていた。もっとも過度な基準をクリアするからこそ、風評被害を抑えられる、との考え方もある。

 ▼西部さんは、異説に対して「『見ざる言わざる聞かざる』の三猿はやめよう」と呼びかけていた。活発な議論を期待したい。


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果報はテレビの前で待つとする。2月11日 [■産経抄]

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【産経抄】2月11日

 作詞家の西條八十は若い頃、東京・兜町に入り浸ったことがある。実業家の父がなした財は道楽者の兄に蕩尽(とうじん)された。自身は詩で身を立てたかったが、暮らしのために、家財を質入れして得た3千円で株を買った。

 ▼世は第一次世界大戦による好景気、含み益は30万円に膨らんだ。銀座の一等地が、1坪数百円という大正期の話である。「僕の野心はせめて五十万円儲(もう)けて」(『私の履歴書』)と売り抜けをためらったが最後、終戦で暴落した。わずか30円が手元に残ったらしい。

 ▼小紙の株式欄には、「昨年来安値」を示す青色の表示が目立つ。米国の急激な長期金利上昇を引き金に、ニューヨーク株式市場が急落した。日本の株安は、その余波である。世界同時株安となった31年前の「ブラックマンデー」と結びつける報道は、穏やかでない。

 ▼株価の一時的な調整局面、あるいは世界経済変調の前触れとみる解説もあるが、景気の回復局面が戦後2番目の長さになったとのニュースは、ほんの3カ月前である。好景気と聞いて「どうも実感が」とぼやくことの多い身は、先の読めぬ変転に黙り込むほかない。

 ▼市場が乱高下する仮想通貨の世界では、含み益が1億円を超えた長者を「億り人」と呼ぶという。実体のない貨幣に有り金のすべてをつぎ込み、狂喜と落胆を重ねる人も多い。バブル崩壊に懲りたはずの日本に、「のど元過ぎれば」のムードが漂うのは気にかかる。

 ▼西條は残った30円で辞書を買った。そこから多くの詩や歌詞が生まれたことを思えば、何が幸いするか分からない。投機に無縁の小欄は時節柄、カネより金のメダルに心ひかれる五輪で勇躍する日本勢に、胸を躍らす健全な2週間になればいい。果報はテレビの前で待つとする。


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貴乃花親方の負った傷…「力士の勲章」か、致命傷か 2月4日 [■産経抄]

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【産経抄】貴乃花親方の負った傷…「力士の勲章」か、致命傷か 2月4日

広報部に張り出された理事候補選挙選挙結果=2日、東京・両国国技館(撮影・戸加里真司)

 

 相撲に「顔の傷は力士の勲章」という格言がある。顔をかばい、相手より先に手をつけば負けになる。傷を負っても顔から落ちよ、と。平幕時代の貴乃花親方(元横綱)は格言を地で行く相撲で勝ったことがある。

 ▼顔をすりむいた当時10代の若者に父で師匠の藤島親方は「力士の仲間入りだ」と喜んだという(『貴花田』ワニブックス)。土俵の美学はしかし、処世万般に通じるものでもない。不利といわれた選挙である。「かばい手」ならぬ不戦敗で傷を負わない手もあった。

 ▼日本相撲協会の理事改選で敗れた貴乃花親方に、嘆息する好角家は多かろう。周囲の制止を振り切っての出馬だといい、同じ一門の親方から「ついて行けない」と見かぎる声も出たと聞く。かつて「将来の理事長」と目された人も、この黒星で負った傷は浅くない。

 ▼誰よりも強い発信力を持ちながら、元横綱日馬富士の暴力事件はもとより、この選挙でも沈黙を貫いたのはどうしたことか。部屋のウェブサイトに載せた声明文は改革への熱意をつづるのみで、角界をどう変えるのか何一つ語っていない。負けるべくして、だろう。

 ▼力士が自らの太鼓腹を開いて手術しようとするものの自覚症状が乏しく、どこが悪いか見えていない。それが相撲協会である。貴乃花親方が組織の非を鳴らしたところで、横綱時代と同じ「黙して語らず」の姿は角界の常識に縛られた一人にすぎないことを物語る。

 ▼父の先代貴ノ花は「技に心が脈打っている」と評された気骨稜々(りょうりょう)の名大関だった。実績では父を超えた「平成の大横綱」だが、テレビカメラの前で見せた謎の笑みからは、脈打つ心が読み取れなかった。選挙で負った深手は、いつか報われる向こう傷か。手当ての及ばぬ致命傷か。


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仏で賞賛、漫画家・谷口ジローさんの作品に日本の底力 2月3日 [■産経抄]

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【産経抄】仏で賞賛、漫画家・谷口ジローさんの作品に日本の底力 2月3日

 「小泉八雲の再来か」。こんなキャッチコピーにひかれて、フランス語コミックの日本語版『鬼火』を読んだ。フランス人2人組が妖怪を写すという中古カメラを手に、滞在先の新潟県内や青森県・恐山を歩き回るというストーリーだ。外国人の目に映じた日本の原風景、過去と現在が興味深い

 ▼フランスといえば、日本に次ぐ世界第2位の漫画大国として知られる。そのフランスをはじめとする欧州で、日本国内でよりもむしろ高く評価されていたのが昨年2月に69歳で亡くなった漫画家、谷口ジローさんである。

 ▼48歳の意識を保ったまま突然、14歳の過去に戻ってしまった男性を描く『遥かな町へ』は、欧州の3大コミック大賞を受賞した。2010年にはフランスで映画化もされている。パリで開いたサイン会には、小学生から高齢者まで幅広い層の読者が訪れたという。

 ▼日本では昨年12月、谷口さんの未発表絶筆を収めた作品集『いざなうもの』が刊行された。その最後に、亡くなる3カ月ほど前に手帳に記した一文が掲載されている。「たったひとりでもいい 何度も 何度でも 本がボロボロになるまで読まれるマンガを描きたい」。

 ▼創作者の執念、魂がそのまま伝わってくるようで、胸を突かれる。谷口さんの新作がもう読めないことを、改めて残念に思うと同時に、日本の歴史や生活に根ざした芸術・文化の底力も感じた。ふだん、気にもとめずに味わう日常の出来事こそが、「クールジャパン」そのものなのではないか。

 ▼近年、日本を自賛するテレビ番組などが増えたと指摘され、それに眉をひそめる向きもある確かにやり過ぎは恥ずかしいが、まだまだ日本には、自分たちでは気づきにくい良さや魅力がありそうである。


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ハリウッド女優リタ・ヘイワースの功績 2月2日 [■産経抄]

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【産経抄】ハリウッド女優リタ・ヘイワースの功績 2月2日

 ハリウッドの人気女優だったリタ・ヘイワースは、第二次大戦中、ピンナップガールとして多くの米兵たちを慰めた。1987年に68歳で亡くなったヘイワースには、アルツハイマー病の存在を世に広めた功績もある。

 ▼晩年の母親を自宅で看病した娘さんは、病気への理解を深める活動にも関わった。病名は、ドイツ人医師、アルツハイマーに由来する。20世紀の初め、妄想や記憶障害が進行する女性の治療を通じて発見した。

 ▼「私はアルツハイマー病です」。94年にレーガン元米大統領(83)が、手書きの書簡で米国民に伝えると、大きな反響を呼んだ。当時すでに患者は、米国だけで400万人を超えていた。治療法はもちろん、原因さえも特定されていなかった。

 ▼世界保健機関(WHO)によると、世界の認知症患者は、推計で5000万人に達している。そのうちアルツハイマー病は、全体の60~70%を占める。病気の原因物質は、「アミロイドベータ(Aβ)」というタンパク質だと突き止められている。

 ▼このAβが脳内に蓄積されているのか、わずかな血液で簡単に調べる検査法が開発された。ノーベル化学賞受賞者の田中耕一さんも研究チームの一員である。検査によって、病気発症のリスクを20年以上も前から知ることができる。もっとも、早期の段階で診断が可能になるだけでは、いたずらに不安をあおるばかりである。

 ▼治療薬をめぐっては現在、世界中の研究者がしのぎを削っている国際宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士、金井宣茂(のりしげ)さんも、アルツハイマー病に関する実験を行うという。iPS細胞にも、大きな期待がかかっている。今回の検査法の開発が、治療や予防に道を開くきっかけになればいい。

 


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イスラエルの強さの秘密は徴兵制 2月1日 [■産経抄]

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【産経抄】イスラエルの強さの秘密は徴兵制 2月1日

 サイバー攻撃の脅威が知られるにつれて、世界最先端の技術を保持するイスラエルが存在感を増している。『知立国家 イスラエル』(文春新書)によれば、ノーベル賞受賞者数や博士号保有数など、人口比で世界一の知的レベルを誇っている。著者の米山伸郎(のぶお)さんは、その理由の一つに独自の徴兵制を挙げていた。

 ▼イスラエル人は18歳になると、男女とも国防軍に徴兵される。ただ一律に同じ任務に就くのではない。さまざまなテストで選抜が行われる。最優秀の人材は、最新軍事技術の開発に専念するプログラムやサイバー諜報部門に採用される。彼らは兵役を終えると、大学で研究を続けたり、ハイテクベンチャーを起業したりと、活躍の場を広げていく。

 ▼徴兵制といえば、欧州各国は冷戦終結後、次々に停止してきた。ところが最近、復活の動きがある。スウェーデンでは、ロシアのクリミア併合を受けて8年ぶりに18歳の男女が11カ月の兵役に就くことになった。

 ▼フランスのマクロン大統領は、18~21歳の男女に1カ月間、軍関連のボランティアを義務づける構想を持つという。ドイツでも復活の議論が始まった。テロの続発に対して、国民の危機意識が高まっている表れである。

 ▼日本ではどうか。復活など主張すれば、たちまち袋だたきに遭うだろう。安全保障関連法をめぐっては、徴兵制とはまったく関係がないにもかかわらず、反対論者が持ち出してきた。安倍晋三首相は、強制的な苦役を禁じた憲法18条に反すると、徴兵制を明確に否定している。

 ▼いずれにしても、徴兵制は軍事研究とともに、「絶対悪」の扱いが続く。安全保障上の脅威がこれほど深刻になっている今、議論さえ許されない風潮は、やはりおかしい。


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今こそガンジーの命がけの非暴力を見直そう 1月30日 [■産経抄]

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【産経抄】今こそガンジーの命がけの非暴力を見直そう 1月30日

 「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ」。平昌五輪の女子スピードスケートの金メダル候補、小平奈緒選手はシーズン前、インド独立の父、マハトマ・ガンジーの言葉を引いて抱負を語った。

 ▼いささか旧聞に属するが、鳩山由紀夫元首相も平成22年の施政方針演説にガンジーの有名な言葉「七つの社会的大罪」を引用している。もっともその一つ「労働なき富」は、実母からの偽装献金問題を抱える鳩山氏にこそあてはまった。「あなただけには言われたくない」と失笑を買ったものだ。

 ▼今なお多くの日本人から尊敬されるガンジーは、70年前の今日、78年の生涯を終えた。インドが英国から独立を果たして半年後である。パキスタンとの分離に反対し、ヒンズーとイスラムの和解を訴え続けたガンジーは、狂信的なヒンズー教徒の凶弾に倒れた。

 ▼そのインドでは4年前、ヒンズー至上主義を掲げるモディ政権が誕生した。以来一部の市民が過激化して、イスラム教徒やキリスト教徒を襲撃する事件が相次いでいる。死刑になったガンジーの暗殺者をたたえる動きさえある。インドだけではない。宗教間、民族間の対立は世界中で激しくなるばかりである。

 ▼紛争を解決するために、ガンジーが使った唯一の“武器”が、「光栄ある死までの断食」である。「平和が訪れるまで、いつまでも続けるであろう」。ラジオを通じて民衆に呼びかける声は、やっと聞き取れるか細さだったという。各宗派、政党の指導者は和解に応じざるを得なかった。

 ▼「もし暴力に訴えたいのならまず私を倒せ、ここから動かせるのは私ではなく、私の死骸であろう」。ガンジーの「非暴力」は、常に命がけだった。今こそ見直されるべきだろう。

 


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仮想通貨の強奪にトンネルは必要ない 1月29日 [■産経抄]

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【産経抄】仮想通貨の強奪にトンネルは必要ない 1月29日

 記者会見で厳しい表情を見せるコインチェックの和田晃一良社長=27日未明、東京・日本橋兜町の東京証券取引所

 

 ブラジルの最大都市サンパウロで昨年10月、大捕物があった。警察は、窃盗団が掘った、銀行の金庫に通じる500メートルものトンネルを摘発した。逮捕された16人が狙っていたのは、現金約10億レアル(約358億円)である。

 ▼成功すれば、「史上最大の金庫破り」になるはずだった。ブラジルでは2005年にも、トンネルを利用した窃盗事件があり、このときは80億円が奪われている。もっとも、インターネット上で取引される仮想通貨の強奪に、トンネルは必要ない。

 ▼なんと580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が、取引所の運営大手「コインチェック」から流出した。不正アクセスにより、約26万人の顧客から預かっていた資産が、たった8時間で消えうせた。管理体制の不備が指摘されている。

 ▼門外漢の小欄でも、お笑いタレント出川哲朗さんのCMは知っていた。派手な宣伝活動の一方で、まだ金融庁から正式な登録を受けていなかったとは、驚きである。コインチェックは、顧客に返金すると発表した。ただ今回の騒動は、安全性への不安から、ビットコインなど他の仮想通貨市場にも冷や水を浴びせた。

 ▼「3万円で始めて800万円になった」「1日で100万円を失った」。週刊誌に掲載された投資体験者の告白は、仮想通貨の価格変動の激しさを示している。米ウォール街の首脳からも、17世紀オランダで起きたチューリップの球根バブルを例に挙げて、通貨ではなく投機にすぎない、と批判の声が上がる。

 ▼数百年遡(さかのぼ)らなくても、日本人はほんの一昔前の経験から大きな教訓を得ているはずだ狂乱と絶望の数十年が、どれほど大きなダメージとなったか。仮想通貨の取引に多数参加する若者に、伝えきれないのがもどかしい

 

 


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最強寒波、草津の噴火…情報社会の落とし穴 1月28日 [■産経抄]

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【産経抄】最強寒波、草津の噴火…情報社会の落とし穴 1月28日

列島を覆う寒波の仕組みイメージ

 

 折りたたみ傘を持って出ようか出まいか。思案する朝が、近頃はなくなった。スマートフォンに向こう24時間の天気が示され、空模様を見るまでもない。何時にどのくらい降るかの予報は詳細かつ正確で、さして疑うこともなく鵜呑(うの)みにしている。

 ▼お天気博士の倉嶋厚さんが以前、「空に三つ廊下あり」と書いていた。降ろうか、照ろうか、曇ろうか。予報官が判断に迷う天気を指した冗句だという。今は死語かもしれない。現代の情報依存やデータ偏重を「これも時代」とうなずくべきか、「思考停止」と戒めるべきか難しいところではある。

 ▼列島を冷やした先週の最強寒波で、首都圏のターミナル駅は大いに混雑した。降雪のピークに備えて早めに仕事を切り上げた人々が、一斉に駅へと向かった結果である。同じ情報があまねく行き渡った社会の落とし穴といっていい。

 ▼かと思えば、噴火した草津白根山の膝元にある群馬県草津町では、火山の警戒地域でありながら避難計画の策定が進んでいない。火山のデータが少ないことが理由という。情報不足で身動きが取れないのも、時代を映した病だろう。

 ▼2004年アテネ五輪で野球日本代表が格下の豪州に敗れた際、「相手の情報が少なくて申し訳ない」とスコアラーが謝った。この一幕を評論家の豊田泰光さんは情報依存のツケと自著で叱っている。「ひもじくなったときに毒きのこか食えるきのこか見分けるたくましさ」が選手に欠けていたと。

 ▼不測の事態で左右を決めるよすがを、自身の嗅覚に求める。その覚悟はなるほど必要かもしれない。大雪の予報なら「出社しない」のも一つの自衛策だろう。手元の情報に頼りつつ、最後は自身で安危を見極める。要は五感の手入れから、である。


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国会で建設的で前向きな議論が聞きたいと願うのは、八百屋で魚を求めるようなものなのか。 [■産経抄]

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【産経抄】1月27日

 当人はうまいことを言ったつもりで悦に入っているが、周囲は白けているという場合がある。希望の党の玉木雄一郎代表が、このところ盛んに強調する「明治レジーム(体制)からの脱却」という標語は、その典型例ではないか。ぴんとこないし、特に意味がある言葉だとも思えない。

 ▼安倍晋三首相が、第1次政権時に掲げた「戦後レジームからの脱却」をもじって、明治維新150周年記念事業などを計画する安倍政権との対決姿勢を示そうとしたのだろう。それは分かるが、こじつけ感がある。

 ▼「『勝てば官軍』という思想は、勝った者が正義との考えであり、『明治レジーム』の考え方」「この150年は、人口増加を前提とした経済成長、中央集権を固定化してきた」。玉木氏は24日の代表質問でこう主張したが、明治以降の日本の歩みはそう否定的にみるべきものだろうか。

 ▼26日付小紙正論欄では、櫻田淳・東洋学園大教授が日本にとって過去150年の歳月は「成功物語」だと評していた。また、昨年12月29日付同欄でも、渡辺利夫・拓殖大学事顧問が明治維新についてこう位置づけていた。「近現代日本の生成発展の『基点』」。

 ▼安倍政権が少子高齢化を「国難」と見なすからといって、人口増加を前提にした経済成長を目指していることにはなるまい。進捗(しんちょく)具合の評価は分かれるにしろ、地方分権も進めている。まして、勝てば官軍などと言うはずもない。

 ▼いかに政権批判が野党の仕事とはいえ、ため息が出る。玉木氏が質問した翌25日の在京各紙で、「明治レジーム」を取り上げた記事がほとんど見当たらなかったのも当然である。国会で建設的で前向きな議論が聞きたいと願うのは、八百屋で魚を求めるようなものなのか。


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さすが「孫悟空」の国、と感心している場合ではない 1月26日 [■産経抄]

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【産経抄】さすが「孫悟空」の国、と感心している場合ではない 1月26日

 英国のイアン・ウィルマット博士らが1997年に発表した、クローン羊「ドリー」誕生のニュースは衝撃的だった。この技術を応用すれば、「クローン人間」、つまり人間の複製も可能になるからだ

 ▼昨年ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさんは当時、「小説に使える」と直感したそうだ。それから8年の月日を経て完成したのが、『わたしを離さないで』である。英国の田園地帯で周囲から隔離された施設「ヘールシャム」には、大きな秘密があった。そこで暮らす子供たちは、治療用の臓器を提供するために生み出されたクローン人間だった、との設定である。

 ▼2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞した京大の山中伸弥教授のグループが作製した「iPS細胞」もまた、世界を驚かせた。あらゆる臓器や組織の再生治療に役立つ万能細胞である。しかも、人の卵子を必要とするクローン技術が使われていない。

 ▼もっとも「クローン人間」に期待されるのは、臓器の提供だけではない。米国では、大リーグのスター選手の遺体の一部が冷凍保存されている。将来の「復活」を想定している。亡くした子供の再生を願う親にとっては、夢の技術になり得る。

 ▼中国科学院のチームが、人と同じ霊長類のサルのクローン誕生に成功したと、米科学雑誌に発表した。ドリーと同じ「体細胞クローン」と呼ばれる手法である。さすが、自分の毛を吹いて次々に分身を作り出す「孫悟空」の国、などと感心している場合ではない。

 ▼クローン人間作りは、倫理と科学的な安全性の両面から、欧米諸国や日本では禁じられているただ科学技術の分野でも世界の覇権を狙う中国で、研究の暴走を押しとどめられるのか、はなはだ疑問である。


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名湯でも治せぬもの 1月25日 [■産経抄]

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【産経抄】名湯でも治せぬもの 1月25日

 民謡『草津節』の一節にある。〈お医者様でも草津の湯でも/惚(ほ)れた病は治りゃせぬ〉。草津の湯に漬かって治らぬ病はない。恋煩いは別として、と。群馬・草津温泉といえば昔から天下に隠れもない名湯である。

 ▼『北越雪譜』の著書で知られ「病弱」を自称した江戸期の文人、鈴木牧之も草津に足を運んでいる。昔は「一廻(ひとめぐり)」、短くとも7日は投宿しなければ湯の効能にあずかれないとされた。湯治といえば「三廻」が常識だったという。牧之もそれにならい3週間逗留(とうりゅう)した。

 ▼顔の腫れが収まり、おなかの調子も上々、「これ目に看(み)ゆる病の快気」と自著『夜職草(よなべぐさ)』で筆を躍らせている。草津の湯がよほど肌に合ったらしい。「霊液」と口を極めて賛美し「子孫の者、この温泉(でゆ)へは…生涯の内に一両度は必ず浴(ゆあみ)すべし」とも書き残している。

 ▼指折りの湯治場を育んだ大地はしかし、荒れた血潮も地下に宿している。容赦なく黒煙を吐き出した草津白根山の噴火はその素顔である。噴石などで訓練中の自衛隊員が亡くなり、10人以上が負傷した。白根山南部の噴火は約3千年ぶりで、予兆はなかったという。

 ▼「日本人は誰でも被災者になる。生きていてよかった」と負傷した男性が語っているわが国は111の活火山を抱えているものの、今回と同じく前触れなしに登山客を襲った御嶽山噴火も「まさか」と言われた。天変地異に予断は禁物との思いを改めて強くする。

 ▼被害のなかった温泉街には懸念の声が寄せられているという。旅行業界で「温泉の横綱」と評されるかの地である。いたずらに不安をあおる風評には惑わされまい。〈白根登ればお花の畑/草津町には湯の畑〉(『草津湯もみ唄』から)。穏やかな山容と日常が、早く戻るといい。

 


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日本刀は「ものづくり」の原点である 1月24日 [■産経抄]

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【産経抄】日本刀は「ものづくり」の原点である 1月24日

 刀剣ブームが続いている。アニメやゲームを通じて、日本刀のファンになった「刀女子」が、展覧会や鑑賞会に多数訪れている。作者や持ち主、斬った相手など、逸話や伝説を知ると、名刀の鑑賞はますます楽しくなる。

 ▼東京国立博物館は、「童子切(どうじぎり)」の号(通称)で知られる国宝の太刀を所蔵している。平安時代の武士、源頼光が、丹波の大江山に住む鬼神、酒呑童子(しゅてんどうじ)をこの太刀で退治したとの由来を持つ。

 ▼童子切は足利将軍家に伝わり、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康へと渡っていく。江戸時代に入って、美作(みまさか)津山の松平家に移り、戦後まで受け継がれてきた。作者は、日本刀の草創期に伯耆国(ほうきのくに)、現在の鳥取県で活躍した名工、安綱(やすつな)である。

 ▼奈良県の春日大社で約80年前に見つかった太刀を研磨したところ、12世紀に作られた日本刀だと分かった。安綱の作品の可能性もある。とすれば童子切と違って、誰の目にも触れないまま何百年も宝庫で眠っていたことになる。

 ▼製鉄技術は、弥生時代に大陸から日本にもたらされたとされる。やがて砂鉄を木炭で還元する「たたら吹き」と呼ばれる独自の技術で、和鉄「玉鋼(たまはがね)」が生み出された。刀工はこの玉鋼に鍛錬と焼き入れなどを繰り返すことで、鋭い切れ味と折れにくさという、両方の機能を日本刀にもたらした。しかも世界に類のない曲線の美を誇る、美術品でもある。日本の製造業、ものづくりの原点は、日本刀にあるといっていい

 ▼昨年来、検査データの改竄(かいざん)など、大手メーカーによる不正が次々に発覚した。競争力の低下も著しい。世界に誇ってきた日本のものづくりへの信頼が、大きく揺らぎつつある。そんな日本に活を入れるために、名刀は再び姿を現したのではなかろうか


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ある私的な振る舞い 1月23日 [■産経抄]

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【産経抄】ある私的な振る舞い 1月23日

講演する西部邁さん=2010年3月29日、奈良市(前川純一郎撮影)

 

 昨年12月に刊行され、評論家、西部邁(すすむ)さん(78)の最後の著作となった『保守の真髄』(講談社現代新書)のあとがきは、前代未聞の内容である。前半部分は、口述筆記してくれた娘さんにあてた遺書となっている。

 ▼それで「完了といくはずだったのに」と続く。西部さんの「ある私的な振る舞いの予定日」に、衆院選が行われることになったというのだ。西部さんは、延期していた「予定」を決行した。21日早朝、東京都大田区を流れる極寒の多摩川に飛び込み、死亡した。

 ▼西部さんは、著作のなかで何度も死について語っている。平成26年に妻の満智子(まちこ)さんに先立たれてから、さらに思索が深まった。2人は北海道・札幌の高校で16歳の時に出会い、25歳で結婚した。満智子さんは、「正規の軌道を外れがち」と自ら認める西部さんを支え続けた。

 ▼がんが見つかった妻を、西部さんは自宅で看病した。「いと、おしい」、「失われるのが惜しい」と、初めて感じたという。西部さんによれば、「保守思想とは妻の看病をすること」だった。どちらも、「平衡感覚」が乏しければうまく遂行できないからだ。

 ▼最愛の妻を看取(みと)って、一人残された西部さんの看病を誰がするのか。たとえ子供であっても、看病をめぐる「盟約」は取り交わされていない。ゆえに病院では死ねない。西部さんは『保守の真髄』のなかで、「自裁死」を正当化していた。賛同はできないが、理解はできる。

 ▼東京・新宿で、仲間と酒を飲みながら語り合う時間を何よりも大切にした。ここ数カ月は、親しい人に別れを告げるために杯を傾けているようだった。飲み仲間によると、酒宴はいつも談論風発、なにより西部さんの笑顔がよかった。一度、見てみたかった。


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セクハラ騒動は文化の違い 1月22日 [■産経抄]

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【産経抄】セクハラ騒動は文化の違い 1月22日

 米国の地方都市で秘書をしている独身女性のジェーンは、旅先のイタリアのベニスで恋に落ちる。もっとも相手の男は、妻子がいることを隠していた。「旅情」は1955年に公開された、キャサリン・ヘプバーン主演の映画である。

 ▼不実をなじるジェーンに、男は平然と言い返す。「おなかが減ったときにラビオリを出されたら、ステーキが食べたくてもラビオリを食べなさい」。有名なセリフは、現在ならセクハラに当たるだろう。

 ▼大物映画プロデューサーの醜聞をきっかけに生まれた、ハリウッドのセクハラ告発運動は勢いを増すばかりである。ゴールデン・グローブ賞の授賞式では、多くの女優が黒のドレスで「セクハラ横行の時代は終わり」のメッセージを伝えた。

 ▼この動きに異を唱えるのが、女優のカトリーヌ・ドヌーブさん(74)らフランスの女性文化人である。ブリジット・バルドーさん(83)も、「偽善的でお笑いぐさだ」と批判の輪に加わった。

 ▼小紙パリ支局長の三井美奈記者は、「『男と女』をめぐる文化の違いが背景にある」と書いている。そういえば「旅情」にも、文化の違いを強調する場面が何度も出てきた。ただセクハラの被害者の訴えを聞くと、フランスの女性評論家が言う「無邪気な遊び」のレベルをはるかに超えている。ハリウッドはいつからセクハラ男の巣窟となったのか。

 ▼ヘプバーンには、ハンフリー・ボガートと共演した「アフリカの女王」の撮影について記した著作がある。大酒のみのボガートは、かつらをかぶると不機嫌になった。ジョン・ヒューストン監督は、アフリカで撮影より象狩りに夢中になる。「男性意識過剰」の変人ばかりだが、卑劣な行為を働きそうな人物は一人も登場しない。

 


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新聞を指先で「なぞる」71・4% 「めくる」68・5% 1月21日 [■産経抄]

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【産経抄】新聞を指先で「なぞる」71・4% 「めくる」68・5% 1月21日

 新聞は3つに大別できるという。配達されて、まだ読んでいないもの。ざっと目を通しただけで、すぐ手を伸ばせるところに置いておくもの。「これはまさしくシンブンである」と、作家の向田邦子さんが昔日のエッセー『新聞紙』に書いている。

 ▼向田説は続く。日付が変われば、新聞は「新聞紙(シンブンシ)」になり、1週間もたてば「シンブンガミになってしまう」と手厳しい。確かに足の早い果実と同じで、きょうのニュースも日をまたげば「旧聞」になる。新聞の一生を過不足なく表した名言だろう。

 ▼いかに鮮度の高いシンブンを読者に届けるか。深夜に及ぶ編集・製作現場の格闘もそこにある。「これを使うようになってから新聞を開かなくなってね」「便利ですからね」。電車内でスマートフォンを手にしたビジネスマンの会話は、それゆえチクリと胸を刺す。

 ▼ニュースをインターネットで読む人の割合が、新聞の朝刊を初めて上回った。新聞通信調査会の調べによるとネットは71・4%、朝刊は68・5%という。スマホ派の会話に胸を痛めた身は、新聞の意外な善戦に驚きつつ、さらりと抜き去った電子化の波に嘆息する。

 ▼新聞各社もネット配信の遅速を競うようになったいま、スマホを商売敵とはなじれない。米紙ニューヨーク・タイムズは有料電子版の好調を映し、純利益をはね上げた。指は紙を繰る時代にあらず。画面をなぞる新聞「指(し)」が、打ち出の小づちになる世の中である。

 ▼向田さんは多いときで11紙を購読していた。「新聞神(がみ)」と呼ぶべき人だろう。〈新聞を跨(また)ぐ子あればいましめぬ新聞にて半生をつなぎ来しかば〉持田勝穂。紙であれ電子版であれ、またがれず、開かれるシンブンを作らねばと自戒の針を胸に刺す。

 

 


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