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国政に緊張感を取り戻す 全ては手元の一票から始まる 10月22日 [産経抄]

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【産経抄】国政に緊張感を取り戻す 全ては手元の一票から始まる 10月22日

 衆院選の投票日を前に知人が頭を抱えていた。「1人は失言癖、1人は不行跡を週刊誌に報じられ、1人は新党にすがった国替え組だ。どうする」と。「国難突破」を託す政権選択選挙とはいえ、有権者が何を投票のよりどころとするかは悩ましい。

 ▼何年か前、小紙に載った川柳を思い出す。〈失言を居眠りをして待つ野党〉。有事への感度の悪さも、この句が描き出す気分と似たようなものだろう。論をまたない憲法改正への態度を見ても、時勢に鈍い政党の姿が目についた。有権者の判断はさて、どうなるか。

 ▼「一強多弱」と言われて久しい与野党の構図を覆す勢力は、いまだに現れていない。期待を担うかに見えた新党は対立軸が定まらない。この期に及んで安保法制を違憲と断じる政党に、国民を守り抜く信念はあるのか。風任せでは、有権者を失望させるだけだろう。

 ▼「国難」という問題提起はなされたが、その本質を候補者が丁寧に語ったのかどうかも疑問が残る。核・ミサイルを振りかざす北朝鮮だけではない。「世界一流」の軍隊建設を掲げ、尖閣諸島に手を伸ばす中国もいる。憲法9条は国民と領土を守ってはくれない。

 ▼思えば、野党が反対のための野党でしかなく、「一強」に代わる受け皿となれなかったことも、国民にとって不幸だった。見境のない新党への大移動を恥じるふうもなく、選挙後の野党再々編を臆面もなく語る人がいる。節操のかけらもない状況もまた国難だろう。

 ▼国政に緊張感を取り戻す。全ては手元の一票から始まることを忘れまい。台風による低投票率が危ぶまれている。雨や槍(やり)より厄介なものが空から降ろうかという危険な時代に、有権者の覚悟も問われていよう。雲行きを眺めても何も始まらない。

 


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開き直った朝日「加戸氏の記事が少ないのは当たり前」 前川証言は馬に食わせるほど掲載してきたではないか 10月21日 [産経抄]

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【産経抄】開き直った朝日「加戸氏の記事が少ないのは当たり前」 前川証言は馬に食わせるほど掲載してきたではないか 10月21日

 「人のふり見てわがふり直せ」というが、他紙を読むことを通じ、自らを省みることが多々ある。15日付毎日新聞の社説「フェイクは民主制を壊す」はこう書いていた。「報道機関には社会の土台となる正確な情報を提供する責務がある」。なるほどもっともだ。心したい。

 ▼17日付朝日新聞の社説「民主主義の明日を占う」は、森友・加計学園問題などに絡めて指弾する。「安倍政権がないがしろにしてきたもの。そのひとつに、国民の『知る権利』がある」。確かに、もしその通りであれば看過できない。

 ▼とはいえ、両紙は加計学園の獣医学部新設をめぐる7月10日の国会閉会中審査に関し、自分たちの論調と食い違う加戸守行前愛媛県知事の証言を、翌11日付の記事本文中で1行も取り上げなかった。これで正確な情報を提供し、知る権利に資したといえるのか。

 ▼朝日は20日付政治面記事「政権 問われる透明性」では、こう強調している。「(朝日の)10月の調査でも、投票先を決めるうえで森友・加計問題を『重視する』とした人は41%だった」。ところが、同調査で「重視しない」が49%に上ったことには言及していない。

 ▼一方で、同日付の論説委員コラムは開き直っていた。「選定の過程に関与していない加戸氏の記事が少ないのは当たり前ではないか」と。だが、選定の過程に直接関与しなかった前川喜平・前文部科学事務次官の証言については、馬に食わせるほど掲載してきたではないか

 ▼「大きな社会的責任を担う者(報道機関)が、事実や批判に向き合わなければ健全な民主主義は維持できない」。17日に採択された新聞大会の決議文である。小紙も含め、単なる建前だと聞き流すようでは新聞は読者に見放されよう。

 


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アキハバラはアキバが正しい 10月20日 [産経抄]

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【産経抄】アキハバラはアキバが正しい 10月20日

 「おひざ送り願います」。一度使ってみたかった。「席を少しつめてください」という意味で、かつて普通に使われた東京弁の一つである。復活がかなえば、満員の通勤電車内のギスギスした雰囲気も随分変わってくるだろう。

 ▼東京弁とは何か。明治政府が国家事業として推進した「標準語」は、「東京の山の手の中流階級の言葉」だった。それに対する下町言葉を指す。先月末に89歳で亡くなった早稲田大学名誉教授の秋永一枝さんは、東京・両国の商家に生まれた。幼い頃から日本舞踊を習い芝居に通い、東京弁を聞いて育った。

 ▼「下町言葉は消滅した」。銀座生まれの国文学者、池田弥三郎さんの言葉を耳にしたのは、大学院時代の昭和31年である。「東京弁は生きている」ことを証明しようと、下町で育ったさまざまな職業の人たちへの聞き取り調査を始めた。

 ▼半世紀かけて集めたカードやテープをもとに平成16年に刊行したのが、『東京弁辞典』だった。秋永さんによれば、東京弁がなくなれば、近代文学も落語も理解できなくなる。

 ▼『東京弁辞典』では、電気街で有名な秋葉原は「アキバハラ」と読ませる。明治初期、広場に火難よけの神、秋葉神社を勧請(かんじょう)したことに由来する。秋永さんにとって現在の通称「アキバ」はむしろ好ましかった。つくばエクスプレス開業に際して、新しい駅名に採用するよう望んだもののかなわなかった。

 ▼東京の風景を一変させたのは、関東大震災と戦災、そして東京オリンピックだったといわれている。秋永さんの調査によれば、東京弁を話す人が激減した要因について、前の2つは同じ、3つ目はバブル期の地上げだった。下町に住んでいた人たちが、周辺地域に追い立てられたからだ。

 

 


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日本を貶める日本人をあぶりだせ 10月19日 [産経抄]

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【産経抄】日本を貶める日本人をあぶりだせ 10月19日

 日本の新聞記者でよかった、と思わずにはいられない。地中海の島国マルタで、地元の女性記者が殺害された。車に爆弾を仕掛けるという残虐な犯行である。彼女は「タックスヘイブン」(租税回避地)をめぐる「パナマ文書」の報道に携わり、政治家の不正資金疑惑を追及していた。マルタとはどれほど恐ろしい国か。

 ▼今年4月に発表された「報道の自由度ランキング」では47位、なんと72位の日本よりはるかに上位だった。ランキングを作ったのは、パリに本部を置く国際ジャーナリスト組織である。日本に対する強い偏見がうかがえる。一部の日本人による日本の評判を落とすための活動が、さらにそれを助長する。

 ▼米紙ニューヨーク・タイムズに先日、「日本でリベラリズムは死んだ」と題する記事が載っていた。日本の大学教授の寄稿である。安倍晋三首相の衆院解散から現在の選挙状況までを解説していた。といっても、随所に左派文化人らしい偏った主張がみられる。

 ▼憲法をないがしろにして軍事力の強化を図る首相の姿勢は、有権者の支持を得ていない。最大野党の分裂のおかげで自民党が勝利するものの、政治はますます民意から離れていく、というのだ。米国人の読者が抱く日本のイメージは、民主主義が後退する国であろう。

 ▼特定の政治的主張だけを取り上げる、国連教育科学文化機関(ユネスコ)には、困ったものだ。いよいよ問題だらけの慰安婦関連資料の登録の可能性が強まっている。田北真樹子記者は昨日、登録されたら脱退して組織の抜本改革を突きつけろ、と書いていた。

 ▼そもそも国連を舞台に、実態からかけ離れた慰安婦像を世界にばらまいたのは、日本人活動家だった。何ということをしてくれたのか。


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家族を詠う幸福 10月17日 [産経抄]

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【産経抄】家族を詠う幸福 10月17日

 詩人の井川博年(いかわひろとし)さんは、ケーキ店で慣れないアルバイトをする娘さんの様子を見に行った。濃い口紅が似合っていない。ケーキを包みながら、お客に「アリガトウゴザイマス」という姿もぎこちない。

 ▼「はらはらしながら見ていた私も合わせて アリガトウゴザイマスといっていた」。「日暮れの町で」と題された作品は、詩集『幸福』に収められている。昨日発表された「河野(かわの)裕子短歌賞」の最優秀作品から、この詩を思い出した。

 ▼「バイト先でピザ焼く吾子(わがこ)をのぞき見つあいつあんなふうに笑うんだなあ」。こちらのアルバイト先はピザ店である。普段気づかなかった子供の成長ぶりを確認した、親としての喜びが素直に伝わってくる。ほんの少しの寂しさも感じさせる点が、選者たちに評価された。

 ▼現代の女性短歌をリードした河野裕子さんは、多くの家族の歌の名作を残した。「しんしんとひとすぢ続く蝉(せみ)のこゑ産みたる後の薄明に聴こゆ」。「遺(のこ)すのは子らと歌のみ蜩(ひぐらし)のこゑひとすぢに夕日に鳴けり」。セミの声を聴きながら長男の永田淳さんを出産してから、平成22年に64歳で亡くなるまで、淳さんの歌だけで500首近くを残した。

 ▼河野さんだけではない。賞の選者も務める夫の永田和宏さん、淳さん、長女の紅(こう)さんの全員が歌人であり、家族の歌を作ってきた。「面と向かって言うことができない心の中の思いも、歌を通じて家族に伝わり、お互いのあいだの風通しの良さにもつながっている」。和宏さんの言葉である。

 ▼「『おい、朝が来たぞ』 妻の肩をゆさぶる 新鮮な夜明け」。昨日の「朝の詩(うた)」欄に掲載された「今日一日」という作品にも、家族とのふれあいが描かれていた。「幸福」という題でもいいと思った


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そこの若者、スマホいじってるのは、新聞読むのはオッサン臭いから? 10月16日 [産経抄]

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【産経抄】そこの若者、スマホいじってるのは、新聞読むのはオッサン臭いから? 10月16日

秋の新聞週間をPRするグッズを受け取る女性=大阪市中央区

 

 「僥倖(ぎょうこう)としか言いようがない」「望外の結果です」。今をときめく将棋の中学生棋士、藤井聡太四段は、対局後のインタビューで使う難しい言葉も話題になった。小学生の頃から毎日、学校から帰ると新聞に目を通していたそうだ。なるほど、圧倒的な語彙(ごい)力にも納得がいく。

 ▼「新聞週間」が始まった。各紙で著名人が新聞の魅力や効用を語ってくれている。もっとも、新聞の購読者が減り続けているのは、事実である。なぜそうなるのか、考える1週間であってもいい。

 ▼そこで思い出されるのは、平成14年に87歳で世を去った「超辛口」のコラムニスト、山本夏彦さんである。とりわけ、新聞に対する批判は激烈を極めた。「わかりにくい言葉を読者にわかるように翻訳するのがジャーナリストの仕事なのに、それをしないというよりする気がない。または出来ないのである」。耳が痛いとしか、言いようがない。

 ▼「明治の昔は読むのを禁じる家庭が多かった。なぜ禁じたかというと、新聞はうそを書く、うそでないまでも誇張して書く。好んで醜聞をあばく」。今年の新聞週間標語は、「新聞で 見分けるフェイク 知るファクト」である。「うそ」ではない「事実」のみを書いているのか、改めて自戒したい。もっとも夏彦翁はその前に、カタカナ語に閉口しているだろうが。

 ▼若者の「新聞離れ」の背景には、インターネットの普及が挙げられてきた。スマートフォンをいじってばかりいるのには、別の理由もあるらしい。「新聞を持ち歩くのは、かっこ悪い」「電車の中で読むのは、オッサン臭い」というのだ。

 ▼小欄なら、新聞を熟読している若い女性を見かけたら思わず見ほれてしまう。これが「オッサン臭い」ということか

 


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拉致問題解決へトランプ氏から強い言葉を聞きたい 10月15日 [産経抄]

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【産経抄】拉致問題解決へトランプ氏から強い言葉を聞きたい 10月15日

 幼い頃に生き別れた母を捜し、博徒の忠太郎は江戸に出た。

 ▼母とおぼしき人の消息を知る老女は言う。「子供のことなんか忘れているよ」。すげない言葉に忠太郎が色をなす。「たとい何十年経(た)ったとて生みの親だあ、子じゃあねえか、体中に一杯ある血は、双方ともにおんなじなんだ。そんなことがあるものか」。長谷川伸の戯曲『瞼(まぶた)の母』である。血は水よりも濃いという。

 ▼忘れるなんてことがあるものか-。小紙連載『めぐみへの手紙』を読む度、そうつぶやいている。北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(53)の両親による手記は毎回、「めぐみちゃん、こんにちは」で始まる。40年前にさらわれて以来、父の滋さん(84)と母の早紀江さん(81)が描く“瞼のわが子”は13歳の「めぐみちゃん」のままなのだろう。歳月の仕打ちもむごい。

 ▼拉致被害者5人の帰国から15年がたつ。めぐみさんらの「死亡」を北が通告してから過ぎた15年でもあり、ほかの被害者救出に進展をみなかった15年でもある。9月に開かれた「救う会」の国民大集会を横田夫妻は欠席した。高齢化という歳月の追い打ちである。「一日も早く」ではない。救出も家族との再会も、秒針の刻みを絶えず意識しながら急ぐ必要がある。

 ▼11月に来日予定のトランプ米大統領が、被害者家族と面会する計画があるという。オバマ前大統領は3年前、「親として許せない」と家族に解決への前進を誓った。同じ言葉、いや、それ以上の強い言葉をトランプ氏から聞きたい。「地獄のような日々」という家族の痛みに終止符を打つ、具体的な方策を語ってほしいものである。

 ▼歳月が罪を忘却のかなたに押し流すと思うなら、考え違いも甚だしい。北の為政者よ、そんなことがあるものか

>が、自国民を自国で守れない日本

 国防弱小国日本、マスコミにその自覚、認識はないのか?

 自国民救出を他国に当然のように丸投げする国

 それが戦後日本の悲惨な姿、国民の多くに、いまやその感性もなし

 


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菅直人内閣そのものと言っていい。一票を投じるのは、菅内閣を信任するようなもの [産経抄]

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【産経抄】10月14日

 希望の党、立憲民主党、無所属、民進党残留組と4分裂した民進党が、衆院選後に再結集する動きがはや顕在化してきた。「選挙が終わったら、民進党を大きな軸としてしっかり結集し…」。民進党の小川敏夫参院議員会長が公言すれば、立民党の枝野幸男代表も民進党との連携に意欲を示した。何のための新党だったのか。

 ▼「菅直人内閣そのものと言っていい。一票を投じるのは、菅内閣を信任するようなもの」。日本のこころの中野正志代表は8日の党首討論会で、立民党についてこう皮肉った。確かに党役員の顔ぶれをみると、菅内閣の官房長官だった枝野氏が代表で、官房副長官だった福山哲郎氏が幹事長である。

 ▼さらに、厚生労働相だった長妻昭氏が代表代行で、首相補佐官を務めた辻元清美氏が政調会長、菅元首相ご本人は最高顧問に就いている。立民党は「まっとうな政治」を掲げているが、菅内閣の施政がどうだったかは読者の判断に任せたい。

 ▼民進党のホームページを開くと、なぜか希望の党の小池百合子代表が、同党候補の応援をしている場面が目に飛び込む。民進党は今回衆院選で候補を立てていないとはいえ、堂々と他党の宣伝をしている。どうせ元の鞘(さや)に収まるのだからと、開き直っているのか。

 ▼不正な手段で得た資金の出所を分からなくするため、転々と送金を繰り返すなどのマネーロンダリング(資金洗浄)の厄介な点は、お金に色はついていないところにある。正当な資金と不正なそれは混ざり合い、出所は判然としなくなる。

 ▼一方、衆院選候補の経歴は調べればすぐに分かる。誰が応援に来るかによっても「色」は見える。いつまであるかもしれぬ漂う浮草のような党名に、惑わされないようにしたい。

 


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神戸製鋼所の事件簿 10月13日 [産経抄]

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【産経抄】神戸製鋼所の事件簿 10月13日

 神戸製鋼所という会社は、良きにつけ悪(あ)しきにつけ世間を騒がせてきた。「良きニュース」といえば、なんといってもラグビー部が打ち立てた金字塔である。日本ラグビー史上屈指のスター選手、平尾誠二さんの下、日本選手権で新日鉄釜石と並ぶ7連覇を達成した。

 ▼ところがV7から2日たった平成7年1月17日、阪神大震災に襲われる。本社は崩れ落ち、製鉄所の高炉も使えなくなった。被害額は1千億円を超えたものの、見事に復興を果たす。ちなみに、安倍晋三首相が政界に入る前に勤めていた会社としても知られる。

 ▼もっとも「悪しきニュース」にも事欠かない。11年には、総会屋に対する利益供与事件が発覚する。その後も煤煙(ばいえん)のデータ改竄(かいざん)問題や政治資金規正法違反など、事件簿を積み上げてきた。ただ今回明らかになった不正は、とりわけ深刻である。

 ▼性能データが改竄されたアルミや銅製品の供給先は、自動車や新幹線、航空機、防衛産業など広範囲に及ぶ。川崎博也会長兼社長の言葉通り、「神戸製鋼所の信頼はゼロに落ちた」。海外でも大きく報じられて、一企業の問題では済まなくなった。日本の誇る「ものづくり」への信頼が揺らぎかねない事態である。

 ▼平尾さんは昨年10月、53歳の若さで亡くなった。親友のノーベル賞受賞者、山中伸弥さんとの共著『友情』(講談社)が刊行され、話題を呼んでいる。「いちばん素晴らしいチームワークは、個人が責任を果たすこと。それに尽きるんですよ」「日本独自の勤勉さ、こだわり、匠(たくみ)というものがどんどん失われている」。山中さんとの対談で、日本のラグビーの課題について語ったものだ。

 ▼現場で不正を見逃してきた技術者への、苦言と受け止めてもいい。

 


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言葉は世に連れる。では法律は? 10月12日 [産経抄]

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【産経抄】言葉は世に連れる。では法律は? 10月12日

 「ごく普通」の中学1年の男子生徒が、遅刻を注意されカッとなって、女性教師にナイフを向けた。栃木県内の公立中学で平成10年に起きた教師刺殺事件は、社会に衝撃を与えた。その後も全国で少年によるナイフ事件が続発する。

 ▼当時小紙の「主張」欄は、「10代の君たち キレるな、ムカつくな!」と呼びかけた。「キレる」「ムカつく」はもともと、大阪の芸人さんが楽屋で使っていた言葉らしい。テレビを通じて世に広まった(『「お笑い」日本語革命』松本修著)。

 ▼今や10代の少年に限らない。傷害や暴行などで摘発される65歳以上の高齢者、いわゆる「暴走老人」も急増している。神奈川県大井町の東名高速道路で6月に起きた死亡事故も、キレてムカついた25歳の男によって引き起こされた。

 ▼きっかけは、パーキングエリアでのささいなトラブルである。石橋和歩容疑者は、ワゴン車に乗る萩山嘉久さんから迷惑駐車を注意されて頭に血がのぼったようだ。ワゴン車を追い、前に割り込んで停止させた。車を降りた石橋容疑者が萩山さんを引きずり降ろそうとしているところに、後続の大型トラックが突っ込んできた。萩山さんと妻の友香さんは死亡した。車内にいた高校1年の長女と小学6年の次女は無事だった。とはいえ、心に受けた傷の深さは想像を超える。

 ▼石橋容疑者の「逆恨み」を指摘する記事もあった。本来は、恨みに思う人から恨まれる、あるいは、人の好意を悪くとって恨む、との意味である。ただ最近では、筋違いのことで相手を恨む場合にも使われる。

 ▼言葉は世に連れる。しかし、法律はそうはいかない。石橋容疑者に自動車運転処罰法違反、つまり「過失」しか問えないのは、どうにも納得がいかない。

 


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独立すれば、レアルとバルサはどうなる? 10月9日 [産経抄]

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【産経抄】独立すれば、レアルとバルサはどうなる? 10月9日

 スペイン・カタルーニャ自治州の州都に本拠地を置くサッカーチーム、バルサ(FCバルセロナの通称)は、世界屈指の人気を誇る。地元での試合では、キックオフから17分14秒たつと、サポーターが一斉に「独立!」と叫ぶ。

 ▼スペイン継承戦争で、バルセロナがスペイン国王軍の前に陥落した1714年にちなんでいる。首都を本拠とするライバル、レアル・マドリードが相手だと、熱気はさらに高まっていく。

 ▼両チームの背景には、ローマ帝国の時代にまでさかのぼる「民族」の問題が横たわる(『レアルとバルサ 怨念と確執のルーツ』田沢耕(こう)著)。もっとも民族間の感情が特に険悪になったのは、スペイン内戦後のことだ。フランコ独裁政権は、内戦中に共和国軍の拠点となったカタルーニャを徹底的に弾圧した。文化と言語を奪われた人たちにとって、バルサは心のよりどころとなった。

 ▼現在の自治州は、工業や観光業が盛んで税収も多い。にもかかわらず、他の地域に比べて見返りが少ないとの不満がある。過去の抑圧の記憶と結びついて、独立運動を突き動かしてきた。

 ▼今月1日に行われた独立の是非を問う住民投票では、賛成が90%を超えていた。とはいえ、投票率は約4割にすぎない。混乱を嫌って企業の流出が続き、中央政府との対話を求める声も強まっている。州首相が独立宣言を行うのか、予断を許さない状況である。

 ▼独立騒動は、ワールドカップにも影を落とす。先週ロシア大会への出場を決めたスペイン代表チーム内で、独立支持派の選手と他の選手との軋轢(あつれき)も報じられた将来、レアルとバルサの伝統の一戦もなくなるかもしれない。となれば、世界中に広がるバルサファンの大半は独立に反対だろう。

 


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歴史の暗部から生まれた「怖い絵」 10月8日 [産経抄]

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【産経抄】歴史の暗部から生まれた「怖い絵」 10月8日

 16世紀のイングランドを治めたヘンリー8世は、生涯に6人の妻を持った。1人目を離縁し、2人目に無実の罪を着せて斬首したのは、世継ぎをなさなかったことが背景にあるという。横暴苛烈を極めた人だった。

 ▼4人目の妻をめぐっても騒動がある。宮廷画家のホルバインに描かせた肖像画を頼りに、ドイツから妻を迎えた王は絵と実物の違いに激怒した。縁談を進めた側近はまもなく処刑されている。画家が罪を免れたのは、他に腕の立つ者が宮廷にいなかったためらしい。

 ▼「もし代わりの画家があらわれたら?」。ドイツ文学者の中野京子さんは著書『怖い絵』(角川文庫)の中で問い掛ける。ホルバインの『ヘンリー八世像』は一見、権勢の証しをとどめた全身像にすぎないが、背景を踏まえて見直すと、作者の震えが伝わってくる。

 ▼多くの絵には、描かれた当時の世相や注文主の思惑、「その通りには描かない芸術家の魂も隠されている」。東京・上野の森美術館で始まった『怖い絵』展を特別監修する中野さんの解説である。背景を知ることで思いもよらぬ恐怖やメッセージが見えてくる、と。

 ▼中でも日本初公開の「レディ・ジェーン・グレイの処刑」は秀抜で鑑賞をお勧めする。政争と宗教対立の中に生きたジェーンは在位9日で女王の座を追われている。処刑を命じたメアリー1世はヘンリー8世の娘、ジェーンの母方の祖母はヘンリー8世の妹である。

 ▼シェークスピアの歴史劇『ヘンリー八世』に王のせりふがある。「忠誠には名誉こそ最上の褒美と言うべきだろう、不忠には汚名が最高の懲罰であるように」(小田島雄志訳)。名誉と汚名は紙の裏表という時代だった。偉大な芸術は往々にして歴史の暗部から生まれるのだろう。

 

 


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ゼロ」が並ぶ希望の党の衆院選公約、注目は… 10月7日 [産経抄]

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【産経抄】「ゼロ」が並ぶ希望の党の衆院選公約、注目は… 10月7日

 「原発ゼロ」「企業団体献金ゼロ」「電柱ゼロ」…。希望の党の小池百合子代表(東京都知事)が6日発表した衆院選公約を眺めていて、ひと際目を引いたのが「花粉症ゼロ」である。さすがにゼロは実現不可能だとしても、つらい症状が緩和されるのであれば心底ありがたい。

 ▼くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみに微熱や頭痛、不眠など、花粉症が引き起こす苦痛は数多い。一説によると、日本のスギ花粉症患者は約3千万人に上るとされる。まさに国民病だといえ、植林されたスギの木を切り倒したい衝動にかられた人も少なくあるまい。

 ▼日本気象協会の花粉飛散予測(第1報)によると、来年春に飛ぶ花粉は東北、関東甲信、四国では今年の1・5倍以上になるという。年々増加傾向にある花粉症を放置していては、医療費がかさむうえ、仕事の能率が低下して経済活動も停滞し、いいことはない。

 ▼「私も花粉症です。よく研究してみたい」。安倍晋三首相は昨年3月の参院予算委員会で、民主党(現民進党)の小川敏夫氏に花粉症への取り組みを求められ、前向きに答えていた。首相は自民党花粉症等アレルギー症対策議員連盟(ハクション議連)の一員でもある。

 ▼かねて花粉症対策を提言してきた希望の党の松沢成文参院議員によると、対策の柱は、林業の新しいビジネスモデルを打ち立てることにある。学校校舎の木造化をはじめ住宅建設、公共事業などでの木材需要を喚起すれば、スギの伐採も自然と進むというわけだ。

 ▼もとより、花粉症に党派性などありはしない今は無縁な人でも、あす発症するかもしれない。一政党の選挙公約とするよりも、政府と与野党が一体となって取り組んでほしい喫緊の課題である

 

 


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【産経抄】「相対性理論を実行中」といえば恋愛中 10月5日 [産経抄]

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【産経抄】「相対性理論を実行中」といえば恋愛中 10月5日

 安倍晋三首相は平成18年9月に行った所信表明演説の中で、物理学者、アインシュタイン博士の言葉を引用している。「日本人が本来もっていた、個人に必要な謙虚さと質素さ、日本人の純粋で静かな心、それらのすべてを純粋に保って、忘れずにいてほしい」。

 ▼大正11(1922)年に来日した際、日本人の印象を雑誌に寄稿したものだ。もっとも、天才科学者を迎える日本人の熱狂ぶりは、「静かな心」とはかけ離れていた。なにしろ博士が発表した相対性理論は物理学に革命を起こし、日本に向かう途中でノーベル物理学賞を受賞したばかりである。

 ▼今年同じ賞に輝いたのは、宇宙から届く「重力波」を世界で初めて捉えた3人の米国人学者だった。重力波とは、重い天体が動くとき、その重力の影響で生じた空間のゆがみが、さざ波のように伝わる現象である。

 ▼相対性理論でその存在を予言していた博士の正しさが、あらためて証明された。といっても3人だけの功績ではない。博士の愛した日本からも、多くの科学者が協力してきた。

 ▼95年前の博士の来日では、相対性理論の難解さも大いに話題となった。予算決議の閣議の席上で、大臣たちが「分かる」「いや、分からぬ」の論争を大まじめに繰り広げたと、新聞は報じている。「相対」を「あいたい」と読めば、当事者が向かい合うという意味になる。若い男女は「恋愛中」を「相対性理論を実行中」と言い換えて、面白がった。

 ▼幸い現在では、相対性理論や重力波について、素人にも分かりやすく書かれた解説書が書店に並んでいる。アインシュタインの理論を生かし、世界中の科学者がどのように宇宙の謎に挑み、解明してきたのか。確かめる夜長があっていい。


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マフィアもあきれる非道 10月4日 [産経抄]

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【産経抄】マフィアもあきれる非道 10月4日

 ラスベガスを語るのに欠かせないのが、「バグジー」(虫けら)のあだ名を持つギャング、ベンジャミン・シーゲルである。1940年代、ニューヨークのマフィアから送り込まれた小さな田舎町に、大きな可能性を見いだした。

 ▼仲間から資金を集め、カジノを併設した大型ホテルを開業したものの、さっぱり客足が伸びない。まもなく愛人宅で射殺される。資金が回収できないとみた、マフィアの仕業とみられる。皮肉なことにシーゲルの死後、ホテルの経営は上向いていく。

 ▼ラスベガスはマフィアに牛耳られながら、ギャンブルの街として発展していく。80年代に入ると、そのマフィアも一掃され、治安も格段によくなった。現在では、年間観光客が4000万人を超える、家族で楽しめる街に生まれ変わった。

 ▼その中心街にある屋外コンサート会場におびただしい数の銃弾が撃ち込まれ、59人が命を失った。逃げ惑う観客をあざわらうような犯行は、マフィアも顔負けの非道である。米国での史上最悪の銃乱射事件は、観光都市のイメージに大打撃を与えそうだ。

 ▼自殺した容疑者(64)と過激組織との関係は不明だ。連日大金をつぎ込んで、ギャンブルに興じていたとの報道もある。動機が何であれ、事件を引き起こしたのは、銃が簡単に手に入る社会の構造である。さすがに銃規制を求める声が強まりそうだ。

 ▼もっとも、武器を保有する権利を保障する憲法と、強力な政治力を持つ全米ライフル協会(NRA)が、その前に立ちはだかるNRAは銃乱射事件が起こるたびに、むしろ自衛のために銃が必要だ、と主張してきた。何百メートルも離れたホテルの32階から無差別に撃ち込まれる凶弾に対して、銃が守ってくれるはずがない

 


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ノーベル賞選考に日本人差別なし 10月3日 [産経抄]

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【産経抄】ノーベル賞選考に日本人差別なし 10月3日

 物理学者の湯川秀樹が昭和24(1949)年に、日本人として初めてノーベル賞を受賞したことは誰もが知っている。ただそれ以前にも、血清療法を創始した北里柴三郎や黄熱病の研究で知られる野口英世ら、候補に挙がった日本人も少なくない。

 ▼そのなかでもっとも賞に近づいたとされるのが、病理学者の山極勝三郎である。その生涯を描いた映画が昨年末に公開されて、話題になったばかりだ。東京帝大教授だった山極は、ウサギの耳にコールタールを塗り込んで、皮膚がんの発生に成功する。

 ▼もっともそれより2年早い1913年に、デンマークのフィビゲルが寄生虫に感染したゴキブリをネズミに食べさせて、胃がんを作ったと発表していた。2人は26年のノーベル医学・生理学賞の候補者として最後まで残り、フィビゲルが受賞する。ところが26年後、フィビゲルの研究の誤りが明らかになった。ノーベル賞の歴史の汚点の一つに数えられる。

 ▼山極は、世界初の人工がんの作製者の栄誉を取り戻したそれでも、「幻のノーベル賞」に終わったことに、日本の学界としては納得がいかない。日本人だから、差別されたのではないか。そんな疑問の声が根強く残った。

 ▼ただ科学史の専門家によると、戦前であってもノーベル賞の選考はおおむね公平に行われてきた。まして21世紀の科学の世界で、国籍や人種によって研究成果の評価が変わるとは、とても思えない。ここ数年のノーベル賞の日本人受賞ラッシュを見ても、明らかである。

 ▼今年も、医学・生理学賞を皮切りに、ノーベル賞の発表が始まった。日本人ははしゃぎすぎ、との批判の声もある。わかっちゃいるけど、夕方のニュース速報に一喜一憂する、特別な1週間である。

 


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スーチー批判では解決しない 10月2日 [産経抄]

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【産経抄】スーチー批判では解決しない 10月2日

 「サンケイよ、お前もかと、がっかりしております」。東京都世田谷区に住む河村俊郎さん(93)から、お叱りの手紙をいただいた。先月、ミャンマーのイスラム教少数民族、ロヒンギャ族について書いたコラムに対してである。

 ▼河村さんは戦時中、学徒兵に志願して昭和17年5月に現在のベトナムに上陸した。以後2年間、南方軍総司令部に所属して、ビルマ(現ミャンマー)諸民族の情報収集活動に携わった。戦後もロヒンギャ族が多く住む西部ラカイン州を含めて12回も各地を訪れている。

 ▼河村さんの目には、隣国バングラデシュの農民が侵入して、ビルマ人と土地争いをしているように映った。ミャンマー政府が、ロヒンギャ族を迫害、差別していると非難するのは、基本を見ない一方的な見方だというのだ。

 ▼ロヒンギャ問題は複雑である。ビルマ近現代史が専門の根本敬(けい)上智大学教授によると、戦時中ラカインで、日本軍により武装化された仏教徒と、英国軍により武装化されたイスラム教徒が殺し合った経緯もある

 ▼その根本さんが先日、僚紙「フジサンケイビジネスアイ」で、ロヒンギャ問題をめぐってアウン・サン・スー・チー氏を批判する報道に疑問を呈していた。スー・チー氏は実質政権トップといっても、ロヒンギャ問題を解決する法的権限をもっていない。憲法が軍によるコントロールを認めているからだ。加えて世論の大半は反ロヒンギャである。

 ▼もっとも、氏が発足させた国際的な諮問委員会は最近、3世代続けて国内に住むロヒンギャに国籍を与えるとの答申を出している。逆風のなか、解決への努力は続けている。ノーベル平和賞を取り消せなどと、スー・チーたたきの声に同調した勉強不足を恥じる。

 


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希望の党へ雪崩を打ったドタバタ劇は「小池演芸場」がお似合い どんなオチが待っているのか? 9月30日 [産経抄]

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【産経抄】希望の党へ雪崩を打ったドタバタ劇は「小池演芸場」がお似合い どんなオチが待っているのか? 9月30日

笑顔で会見する希望の党代表の小池百合子東京都知事=29日午後、東京都庁(飯田英男撮影)

 

 「むちゃくちゃでごじゃりまするがな」。テレビ黎明(れいめい)期に一世を風靡(ふうび)した漫才師、花菱アチャコさんのセリフが頭に浮かんだ。衆院解散と同時に民進党も事実上解散し、小池百合子東京都知事が代表を務める新党「希望の党」へと雪崩を打ったドタバタ劇は、テンポのよい掛け合い漫才のようでもある

 ▼「小池劇場」というより「小池演芸場」がお似合いか。民進党側は「皆さんと一緒に進む。誰かを排除するということではない」(前原誠司代表)と丸ごと合流を望むが、希望の党側はあっさり「三権の長を経験した人には遠慮してもらいたい」(細野豪志元環境相)とはしごを外す。

 ▼「安保法制に賛成していない人は、アプライ(応募)してこないと思う」。小池氏は28日の記者会見でうそぶいた。安全保障関連法は憲法違反だと断じてきた民進党議員らは今、どんな言い訳を考え中か。民進党が100億円超ため込んだ政党助成金という持参金の効き目はいかに。

 ▼はたまた、「日本のこころ」を離れ希望の党から出馬する予定の中山成彬元文部科学相は、28日のツイッターにこう書き込んでいた。「安倍(晋三)首相の交代は許されない」。安倍政権を倒したいのか、そうじゃないのかも分からない。

 ▼16日付小欄は、民進党をネズミが見捨てる沈みゆく船にたとえた。すると実際に27日放送のTBS番組の生中継で、ネズミが民進党本部から外に逃げ出す場面が映り込み、インターネット上で話題となった。新しいすみかである希望の党へと向かったのか。

 ▼当人たちは生き残りをかけてなまじ大真面目なだけに、かえって滑稽さが際立つ。笑っている場合じゃないかもしれないが、どんなオチが待っているのかとにかく気になる。

 


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とりあえずカレンダーに印を入れる 9月29日 [産経抄]

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【産経抄】とりあえずカレンダーに印を入れる 9月29日

 中学2年の1学期の終業式の日。学校から帰ると、自宅マンションのドアには「差し押さえ」と書かれたテープが貼られていた。やがて父親が帰ってきて宣言する。

 ▼「ご覧の通り、まことに残念ではございますが、家のほうには入れなくなりました…これからは各々頑張って生きてください。…解散!」。お笑い芸人の田村裕さんによるベストセラー『ホームレス中学生』の家族解散の場面である。田村さんは、父親の言葉が「全く理解できなかった」と振り返る。

 ▼民進党の前原誠司代表は昨日、「解党」を正式に表明した。所属議員たちは理解できたのだろうか。少なくとも支持者には理解不能だろう。田村家と違って、民進党は金に困っているわけではない。選挙に備えた資金は100億円を超えているという。

 ▼もっとも、いざ衆院解散を迎えると、とても勝ち目はない。そこで小池百合子東京都知事が代表を務める国政新党「希望の党」と合流しようというのだ。安倍政権を打倒できれば、それでよし。政策もへったくれもない。

 ▼そもそも合流後の新党は、誰を首相に指名するのか。小池氏は、都知事のままでは首相になれない。まさか築地市場の豊洲移転をはじめ問題山積みの都政をほっぽらかして、衆院選に出馬するつもりなのか。政界の一寸先は闇、どころではない。誰も見たことがない異形の政治の風景が現れようとしている。

 ▼「希望学」を提唱する玄田有史東大教授らは、平成18年から岩手県釜石市を調査してきた。東日本大震災後、現地に持参してもっとも喜ばれたのは、カレンダーである。苦しい生活のなかで、希望を書き入れていく(『〈持ち場〉の希望学』)。とりあえず、投開票日の22日に印を入れるしかない。

 


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衆院解散は「パンドラの壺」 9月28日 [産経抄]

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【産経抄】衆院解散は「パンドラの壺」 9月28日

「希望の党」の結成会見で、笑顔を見せる小池百合子都知事(中央)ら=27日午前、東京都新宿区(宮崎瑞穂撮影) 

 

 「二足のワラジを履く」とは、単に一人で2つの職業を兼ねる、という意味ではない。たとえば、江戸時代にばくち打ちが十手(じって)をあずかるような、2つの職業が両立しない場合を指す。

 ▼小池百合子東京都知事(65)が代表を務める新党「希望の党」は昨日、結党会見を行った。知事と国政政党の党首、小池氏の「二足のワラジ」についての質問も当然出る。公務のため途中退席した小池氏に代わって、細野豪志元環境相が答えていた。「小池氏は、『運動靴とヒールを履き分ける』と言っている」。いかにもイメージ先行の新党らしい物言いである。

 ▼「アウフヘーベン」や「リセット」などカタカナ語を多用する小池氏だが、「希望」の二文字にはこだわりがあったようだ。すでに今年2月に新党の名前を特許庁に商標出願していた。希望といえば、有名なギリシャ神話を思い出す。

 ▼ゼウスは高慢になった人間をこらしめるために、人類最初の女性となるパンドラに壺(つぼ)を持たせて送り出した。パンドラが壺の封を切ると、病気、戦争、災害などあらゆる不幸が飛び出した。壺の底に残っていたのは「希望」だけである。

 ▼今日、衆院本会議の冒頭で解散が宣言される。恒例の万歳三唱の声が衆院本会議場に響くと、議員身分を失ったセンセイたちは、いっせいに全国の選挙区に飛び散っていく。作家の阿刀田高(あとうだ・たかし)さんは、この風景こそ、現代の「パンドラの壺」だという。

 ▼選挙運動の最中には、利権のからんだ取引など諸悪がばらまかれ、選挙民に残されるのは、「かろうじて“少しはよくなるのじゃあるまいか”という希望だけ」(『ギリシア神話を知っていますか』)。それは違う、というのなら、中身のある政策論争を繰り広げてほしい。

 


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